直近の決算概況

2023年12月期の概況

当連結会計年度において世界経済は、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料・エネルギー価格の高止まり、欧米先進国を中心としたインフレ率の上昇とそれに伴う金融引き締めによる内需の減少、不動産問題等を抱える中国経済の低迷、中東情勢の緊迫化等により緩やかに減速しました。

わが国でも、原材料価格の上昇や為替相場における円安傾向は継続しているものの、設備投資や個人消費が持ち直しており、景気に緩やかな回復基調が見られました。

そのような状況下において、当連結会計年度の売上高は59,014百万円(前年同期比1.1%減)、営業損失759百万円(前年同期は営業利益978百万円)、経常損失555百万円(前年同期は経常利益2,120百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1,269百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益168百万円)となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントごとの業績をより適切に反映させるため、全社費用の配分基準の見直しを行っております。それに伴い、以下の前年同期比較については、変更後の費用配分方法に基づいた数値で比較しております。

①電気・電子部品事業

電気・電子部品事業は、主力製品であるコネクタやHDD関連部品が低迷し、前年同期比減収となりました。ノートパソコン向けコネクタは第1四半期を底に回復基調に転じたものの、パソコンの販売台数が前年比で減少する等、市況低迷の影響を受け、伸び悩みました。HDD関連部品は、IT企業がデータセンター向け投資を抑制したことにより、大容量HDD向け関連部品の需要が減少しました。利益につきましては、上記需要の減少と、第4四半期の在庫圧縮による原価率悪化を受け、低迷いたしました。

その結果、当事業の当連結会計年度の売上高は33,083百万円(前年同期比9.6%減)となり、営業損失は577百万円(前年同期は営業利益2,545百万円)となりました。

②自動車部品事業

自動車部品事業は、コロナ禍の収束と車載半導体不足の緩和に伴い、自動車メーカーの生産活動が回復したことを受け、伸長しました。エアバックやブレーキ等の安全走行系のセンサが伸長したことに加え、LEDヘッドライト向けコネクタも堅調に推移し、前年同期比増収となりました。利益につきましては、好調な自動車市場を背景に、自動車部品需要が増え、工場稼働率が向上し、利益水準を押し上げる結果となりました。

その結果、当事業の当連結会計年度の売上高は21,343百万円(前年同期比19.9%増)となり、営業損失は708百万円(前年同期は営業損失2,314百万円)となりました。

③設備事業

設備事業は、当社が得意とする車載用半導体やパワー半導体向け樹脂封止装置の需要は引き続き高い水準で推移したものの、前期の前半まで過去最高レベルで続いた半導体市場の伸びが後半にかけて鈍化し、その流れが今期まで続いたことから結果として前期比減収となりました。利益につきましては、市況の影響に伴う装置需要の鈍化により前期比減益となりました。

その結果、当事業の当連結会計年度の売上高は4,587百万円(前年同期比12.3%減)となり、営業利益は527百万円(前年同期比29.3%減)となりました。