トップインタビュー

デジタルなものづくりを実践できる技術力を持つ企業を目指します。

1. 第59期(2021年12月期)の業績について

コロナ禍による社会構造の変化が好業績を後押し

まず、電気・電子部品事業は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、リモートワーク等が急速に普及したことから、パソコン向けのコネクタを中心に年間を通じて好調に推移しました。また、巣ごもり需要等にも支えられ、モバイルルーター等のネットワーク機器に使用されるコネクタも伸長しました。HDD関連部品は、通信の高速・大容量化が進展していることを受けて、データセンター向け大容量HDDの部品需要が増加しました。

自動車部品事業は、部材不足やサプライチェーンの混乱等に伴い、年末にかけて自動車メーカーが減産に転じた影響を一部受けましたが、旺盛な自動車需要に支えられ、車載用センサやLEDヘッドライトに使用されるコネクタが概ね堅調に推移しました。

設備事業は、深刻な半導体不足が継続する中、半導体メーカーが増産のための設備投資を積極的に行ったことから、半導体樹脂封止装置や自動テープ貼付機等の半導体関連設備の受注が大幅に増加しました。

グループ全体としては、すべての事業において前年を上回る実績を残すことができ、過去最高の売上高を記録する等、業績面において大変好調な1年となりました。

以上のようなことから、第59期においては、売上高668億円、営業利益68億円、経常利益77億円、親会社株主に帰属する当期純利益59億円となりました。この結果を受け、配当につきましては、期末配当金を1株当たり35円、中間配当を含む年間配当金を50円とさせていただきました。

2. 第60期(2022年12月期)の重点戦略について

電気・電子部品事業

サプライチェーンの混乱が生産活動に与える影響を注視する必要がありますが、「ニューノーマル」に代表される生活様式の変化に伴い、パソコン等の製品需要は底堅く推移すると思われることから、当社の強みである高周波・高速伝送技術を深耕し、優れたシグナル・インテグリティ・ソリューションの提供に努めてまいります。今後、更なる収益基盤の強化を目指し、次世代のデジタル通信技術を支える電気・光伝送路に用いられるコネクタの開発・拡販に注力してまいります。中でも、当社の得意とする高周波・高速伝送技術を活用し、通信の高速・大容量化に伴い需要の拡大が見込まれるデータセンターや基地局をはじめとするエンタープライズ市場等、新たな事業領域への展開を促進することで、持続的な成長を実現させてまいります。

また、トルクセンサについては、人協働ロボットの関節に加え、ロボットアームに取り付けるエンドエフェクタとして使用することでコネクタの自動挿入を可能にする等、今後様々なシーンでの活用が期待されます。

自動車部品事業

半導体不足や新型コロナウイルスの変異型感染症拡大により、先行き不透明な状況が予想されますが、自動車メーカーの生産活動が徐々に回復していくものと思われることから、車載用センサやコネクタをはじめとする自動車部品の受注拡大に努めてまいります。

今後、自動車産業を取り巻く環境は、電動化やコネクテッド化、先進運転支援システム(ADAS)の進化等、大きく変化していくと思われます。そのような中、当社は電子制御系のモジュール部品や車載用の高速伝送向けコネクタ、バッテリー制御システム等の研究開発に注力し、快適で安全なモビリティ社会の実現に貢献してまいります。

設備事業

半導体製造装置関連は、半導体メーカーが積極的な設備投資を継続することが予想されることから、市場ニーズを先取りした技術・品質・サービスを提供することで新たな需要を取り込んでまいります。特に、脱炭素や省電力化が求められる中、今後、電力の制御や変換等に使用されるパワー半導体の市場拡大が見込まれることから、車載向けを中心に差別化した技術やカスタマイズ提案等を通じて、新たな受注獲得に努めてまいります。

MEMSデバイス

ニオイを「見える化」するMEMSニオイセンサにつきましては、スマートフォンに接続し、身近なニオイを手軽に計測できるパーソナルモデルの「noseStick」を2021年に商品化いたしました。今後は、従来の「nose@MEMS」と併せて、食品や介護、製造現場等の様々な分野でご使用いただけるよう、更なる技術の深耕や他企業との協業も視野に入れ、新たな市場の創造を目指し、活動してまいります。

「I-PEX Vision 2030」を策定し、企業価値向上へ向けた取り組みを推進します。

この度、2030年に目指すべき姿を示した「I-PEX Vision 2030」を策定し、イノベーションによる快適・安全なデジタル社会への貢献を通じて、「ものづくりソリューションエキスパート」として、更なる企業価値の向上を実現すべく、様々な施策に取り組んでまいります。

また、今後の当社事業を通して、気候変動をはじめとする社会的課題の解決に向けた活動を推進してまいります。

株主の皆様には今後とも当社グループへのご支援を何卒宜しくお願い申し上げます。