直近の決算概況

2024年12月期の概況

当連結会計年度において世界経済は、ウクライナや中東等の地政学リスクや、中国経済の低迷等依然として先行き不透明な状況が継続しているものの、年後半にかけて欧州では持ち直しが見られ、米国ではインフレも緩やかに減速し、個人消費の回復により底堅く推移しました。

わが国では、個人消費や設備投資が緩やかに回復しているものの、外需の減速や金融市場の変動リスク等、先行き不透明な状況が継続しております。

そのような状況下において、当連結会計年度の売上高は64,548百万円(前年同期比9.4%増)、営業利益2,557百万円(前年同期は営業損失759百万円)、経常利益3,320百万円(前年同期は経常損失555百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益1,230百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,269百万円)となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

なお、中間連結会計期間より、組織構造の変更に伴い、「電気・電子部品事業」及び「自動車部品事業」に含まれていた設備部門を、「設備事業」に統合しております。そのため、以下の前年同期比較については、変更後の区分方法に基づいた数値で比較しております。

①電気・電子部品事業

電気・電子部品事業は、主力製品であるコネクタやHDD関連部品が年間を通じて好調を維持し、前年同期比で増収となりました。コネクタは、ノートパソコン市場の底堅さを背景に需要が堅調に推移しました。HDD関連部品は、データセンター向けをはじめとする大容量HDD向け関連部品の需要が引き続き堅調に推移しました。利益につきましては、在庫適正化の取り組みとして前年同期に実施した大幅な在庫圧縮による原価率の悪化から大きく回復し、需要の増加に伴い工場稼働率も高水準を維持した結果、前年同期比で増益となりました。

その結果、当事業の当連結会計年度の売上高は39,839百万円(前年同期比20.9%増)となり、営業利益は3,241百万円(前年同期は営業損失256百万円)となりました。

②自動車部品事業

自動車部品事業は、EV市場の低迷や自動車メーカーの品質認証不正問題等による自動車部品メーカーの在庫調整の影響が長引いたため、部品需要の回復は限定的なものにとどまり、足元では受注が弱含みで推移しました。利益につきましては、販売価格への転嫁や販管費削減等により収益の改善に努めたものの、自動車向けセンサや成形・組立部品需要の減少に伴い工場稼働率が低下し、収益の改善は限定的なものとなりました。

その結果、当事業の当連結会計年度の売上高は21,021百万円(前年同期比1.3%減)となり、営業利益は263百万円(前年同期は営業損失639百万円)となりました。

③設備事業

設備事業は、半導体メーカーにおける車載用半導体の過剰在庫や、自動車メーカーによるEV向け投資の延期等の調整局面が続いており、当社が得意とするパワー半導体をはじめとする車載用半導体向け樹脂封止装置の需要が低調に推移しました。また、民生用についても過去の半導体市場の急伸による過剰生産設備の影響から投資が先送りされ、前年同期比で減収となりました。利益につきましては、市況の鈍化に伴う装置や金型需要の減少により、前年同期比で減益となりました。

その結果、当事業の当連結会計年度の売上高は3,688百万円(前年同期比22.5%減)となり、営業損失は963百万円(前年同期は営業利益210百万円)となりました。