2025/02/20

2025年1月22日にニューヨークで開催されたDeep Tech Forum 2025に、I-PEX USA Manufacturing, Inc.の川越洋介が登壇しました。
I-PEX USA ManufacturingとI-PEXグループができること、そして私たちが目指す共創と未来についてお話ししました。ここではDeep Tech Forumでのスピーチを編集してご紹介します。
Deep Tech Forumについて


Deep Tech Forumは、日本への進出を検討している初期から中期段階のスタートアップ企業、および日本のテクノロジーエコシステムに関心のある投資家やビジネスリーダーを対象としたイベントです。ディープテック業界の主要プレーヤーとつながり、イノベーションの未来についての洞察を得るユニークな機会を提供します。
モノヅクリベンチャーズが主催し、ニューヨークロボティクスネットワークが共催するこのイベントは、在ニューヨーク日本国総領事館、ジェトロニューヨーク、横浜市役所など、さまざまな組織の支援を受けています。
I-PEX USA ManufacturingとI-PEXグループはどのように貢献できるのか?——2025年1月22日、ニューヨークで開催されたDeep Tech Forumでのスピーチより

I-PEXは、「Innovative Product development and Engineering solutions eXpert」の略で、精密なものづくり、循環型社会に向けたソリューション等におけるグローバルリーダーです。京都・伏見の地で1963年創業。金型の外販事業から事業を成長させ、現在は12か国・地域の39拠点、5000名以上の従業員を有しています。
I-PEX USA Manufacturing Inc.は、2000年12月に設立され、2002年にアメリカ・アラバマ州オーバーンで事業を開始しました。
1. イノベーションを支えてきた歴史
第一精工株式会社として設立された当時のI-PEXは、革新的な金型技術「モジュールシステム」により従来の職人技への依存を減らし、金型製作の効率性を飛躍的に向上させました。1972年には金型の外販事業から半導体樹脂封止工程の自動化装置、さらに1975年には樹脂成形品の量産を開始しました。
I-PEXは設立以来、難易度の高い樹脂成形品の金型・設備づくり、ものづくりを通じて、半導体、民生・電子機器、自動車産業等で新しい価値を創造するイノベーターの強い味方となり、サービスを提供しています。

2. お客様への価値提供の重視
多くのものづくり企業では、投資収益等の観点から標準化された設備を用いて、類似部品を生産することが多いでしょう。I-PEXでも非常に重要な考え方ですが、23年間操業しているアメリカ・アラバマ工場を訪れる機会があれば、少し変わった光景を目の当たりにされるかも知れません。この背景には、これまでお客様がものづくりの課題に直面した際、「I-PEX以外にアイディアを具現化できるパートナーがいない」、「この製品は非常に難しいので、I-PEXに任せたい」、「I-PEXが最後の砦」などと評価され、任せていただいた経緯があります。
一部の社内外の関係者からは、このようなビジネスモデルが必ずしも良く思われないことは、十分に理解しています。しかし、世の中に革新をもたらそうとするイノベーター、つまりお客さまからは、I-PEXを唯一無二の存在として高い信頼を寄せていただいていることを、日々実感しています。結果として、標準化された設備ではなく、それぞれのお客さまのニーズに合わせてカスタマイズした生産ラインが多く並ぶ工場フロアとなることも珍しくありません。I-PEXの工場は、最も困難なものづくりの課題解決にチャレンジしてきた、創業時から変わることの無い私たちのコミットメントの証明にほかなりません。
- ※I-PEX株式会社はMBO実施のため、記事掲載時に上場している東京証券取引所プライム市場を2025年3月10日に上場廃止となる見込みです。

I-PEXでは、3種類のパートナーを積極的に募集しています。
a) I-PEXのものづくりソリューション×貴社の製品設計
製品を設計しているなかで、金型や自動機、量産サポートを含むものづくり面でお困りごとがありましたら、ぜひお声掛けください。貴社の製品を具現化するお手伝いをさせていただきます。I-PEXは自動車、医療、航空宇宙など、さまざまな業界の認証を取得しています。日本国内には各業界の規格に精通したエキスパートが在籍し、各種評価設備も完備しています。日本市場がターゲットの場合、営業活動の支援もさせていただきます。
b) I-PEXのものづくりソリューション×貴社の生産技術
I-PEXの金型や自動機、量産を含めたものづくりソリューションを、価格や納期、品質面などでより一層パワーアップしていただける生産技術をお持ちの企業さまも、ぜひお声掛けください。例えば、従来品よりも高感度で速く、効率的に不良品を検知できる自動機組み込み型のセンサ。あるいは、北米内で自動機セルの設計から組立まで、すべて手掛けられる企業さま。お客様への価値提供をさまなる高みへレベルアップさせるために、皆さまからの積極的なご提案をお待ちしています。
3. 未来を見据えて:持続可能なエネルギーへの取り組み
2020年、私たちは第一精工から新しくI-PEXとして生まれ変わりました。新しいビジョン、ミッションのもと、より一層外部と連携しながら共創し、社会的インパクト・価値創造に重きを置いたビジネスモデルへの移行を目指しています。
このような変革期において、昨年I-PEXは新しいビジネスを日本で立ち上げました。リユースした電気自動車のリチウムイオンバッテリーとバッテリーマネジメントシステム、そしてIoT技術による遠隔監視・制御システムを組み合わせた、安心・安全な蓄電池システムです。サーキュラーエコノミーと電力システムのレジリエンス強化に貢献します。
北米においても同事業を今後開始、拡大していく計画を立てており、新しいユースケースやコア技術の深掘りが行える共創パートナーを募集しています。
4. まとめ

I-PEXはこれからも創業時から築き上げてきたDNAを大切に、ものづくりソリューションやエネルギーソリューションを通じて、イノベーションの創出に貢献していきます。
ぜひI-PEXと一緒に、最・尖端の価値や体験を、創造していきましょう。
I-PEX USA Manufacturing Inc.について
会社名 |
I-PEX USA Manufacturing Inc.
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住所 |
239 Technology Parkway, Auburn, Alabama, 36830-0500, U.S.A.
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従業員数 |
53人 (2025年2月時点)
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