労働安全衛生活動を推進して労災ゼロを目指す、I-PEX独自の制度「危険ゾーン」と「ライン教育」

2024/12/13

PT IPEX Indonesia Inc(インドネシア・ビンタン工場)の危険ゾーン(赤) PT IPEX Indonesia Inc(インドネシア・ビンタン工場)の危険ゾーン(赤)

I-PEXがグループ全体で推進する労働安全衛生活動より、労災ゼロの実現に向け取り組むI-PEX独自の制度「危険ゾーン」と「ライン教育」についてご紹介します。

I-PEXが考える労働安全衛生活動

労働安全衛生活動は、従業員の職業生活のみならず企業活動においても重要な要素です。従業員はもちろん協力会社も含め、事業に関わるすべての人が安全で健康に働ける環境を整備することは企業の責務です。同時に、職場における潜在的な危険と、そのリスクから自分を守る対策について、従業員が十分に理解するための教育を実施することも、あらゆる職場において欠かせません。

I-PEXは、従業員が労働安全衛生活動をしっかりと意識することが「労災ゼロ」を実現する第一歩と考え、グループ全体で意識向上に関する取り組みを積極的に推進しています。また、一般的な労働安全衛生活動に関する教育の実施はもちろん、潜在的な危険が存在するエリアで作業する従業員に対しては、独自の教育も行っています。

潜在的な危険を可視化し、リスクや対応策を学ぶ
I-PEX独自の制度「危険ゾーン」と「ライン教育」

製造現場には、さまざまな設備や生産ラインを設置しており、取り扱いをあやまれば重大な怪我につながりかねません。

I-PEXでは、2005年に発生した拠点工場での労働災害を契機に、翌2006年に社内の安全マニュアルや独自の制度である「危険ゾーン」や「ライン教育」などの安全教育体制を整備し、運用を開始しました。

下記の表は、危険ゾーンを可視化するためのラインの色ごとに、該当する設備および潜在的な危険を示しています。それぞれの危険ゾーン内(ラインの内側)は、該当するライン教育を受講して認定を受けた従業員のみが立ち入り、作業することができます。

危険ゾーンにおけるライン色別の該当設備と潜在的な危険

     

ライン色

潜在的な危険をともなう設備 潜在的な危険
射出成形機、プレス機 重度の火傷・手の怪我、目の怪我
自動組立機、メッキライン 火傷、目の怪我、化学物質の取り扱い
工作機械 切り傷、可燃物

危険ゾーン

工場内において特定の危険が存在する危険ゾーンを定義し、該当する危険ゾーンの地面にカラーテーピングを行うことで、危険を視覚化できるようにしています。

大刀洗工場(福岡県朝倉郡筑前町)の危険ゾーン(赤、黄) 大刀洗工場(福岡県朝倉郡筑前町)の危険ゾーン(赤、黄)
小郡工場(福岡県小郡市)の危険ゾーン(青) 小郡工場(福岡県小郡市)の危険ゾーン(青)

ライン教育

従業員が危険ゾーンを十分に理解するために、ラインの色別(赤、黄、青)に想定される危険や、危険ゾーン内に安全に留まるための方法などを学ぶライン教育を実施しています。
また、認定を受けた従業員の帽子に該当するラインと同色のリボンをつけ、危険ゾーン内で作業する作業員が認定取得者であることを周囲が認識できるようにしています。
「ライン教育」を受講し、認定を受けた従業員に危険ゾーンのラインと同色のリボンを付与。リボン付きの帽子を着用した従業員のみが、該当する危険ゾーン内への立ち入り、作業が可能 「ライン教育」を受講し、認定を受けた従業員に危険ゾーンの
ラインと同色のリボンを付与。リボン付きの帽子を着用した従
業員のみが、該当する危険ゾーン内への立ち入り、作業が可能

ライン教育は、設備を操作する従業員だけではなく、危険ゾーン内やその近くを通過するすべての従業員を対象に実施し、全員が日常業務を安全に遂行するために必要な知識を身につけた上で業務にあたるようにしています。

独自の制度が、I-PEXグループ全体の労働安全衛生活動を推進

危険ゾーンとライン教育は、怪我や事故の防止に役立つだけでなく、日々の業務のなかで従業員一人ひとりが改めて労働安全衛生活動を意識するきっかけとなっており、I-PEXグループ全体の活動推進にもつながっています。