2024/12/13
近年、地球温暖化防止への積極的な取り組みが世界各国で課題とされていますが、I-PEXグループでは気候変動に対応するために、地球温暖化の原因物質とされる温室効果ガスの一種、二酸化炭素(CO2)の削減に取り組んでいます。
2022年、I-PEXグループは中長期目標として、スコープ1※1とスコープ2※2におけるCO2排出量(生産およびそれに準ずる事業所が対象)を2030年までに40%削減(基準年度2021年)すること、および、2050年までにはカーボンニュートラルを実現することを掲げました。CO2排出量の削減を目標としたのは、I-PEXグループの事業活動において気候変動に最も影響を与える温室効果ガスが「使用する電力の発電時に排出されるCO2」であるためです。
I-PEXグループは、生産における省エネルギー化と再生可能エネルギーの活用を拡大することで目標達成を目指します。
- ※1事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
- ※2他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
効率的な省エネ活動を特定・対策する「エコチャレンジ」を実施
2023年10月~2024年3月の6ヵ月間、全事業部の生産部門が在籍する小郡工場(福岡県小郡市)を対象に、「無駄」なエネルギー使用を特定し、改善・対策する活動を行いました。「前年同期間比10%削減」とチャレンジングな目標を立て、日々の電力使用を見直しながら、不要な機器の電源を切る、使用していない場所・時間帯の照明を切る、窓の断熱対策を行うなどのすぐにできるところから取り組みを始めました。
そのほか、消費電力を抑えるために、生産設備の運用の見直しや古いエアコンの交換、空調制御システムの導入なども積極的に実施しました。結果、目標には届きませんでしたが、前年同期間比2%の削減ができました。
エコチャレンジでの具体的な取り組み
- 設備稼働の改善(休日出勤の削減)
- 空調効率の改善(空調設備の更新、ファンの設置、空調機の運用見直し、断熱対策の実施)
- 照明器具の適正利用(不要時・未使用エリアの消灯、消灯時間の設定、保守保全など)
- エアー効率の改善(エアーリーク箇所の是正など)
- プレスヒーターの運用を見直し(稼働時間の設定、休日は停止)
- 粉砕機、真空ポンプの自動オン/オフ
- 休日のコンプレッサーの稼働停止
- 待機電力の削減(設備の電源・ブレーカーの遮断)
2030年までに「CO2排出量40%削減」を目指して――省エネルギー化のノウハウをグループ全体に展開
エコチャレンジで行った取り組みをモデルケースに、毎月の電力使用量で活動実績を確認しながら電力使用の「無駄」を見つける意識は継続しています。省エネ活動で得たノウハウや資料はグループ全体へ展開し、新たに気づいた「無駄」も試行錯誤を行いながら改善・対策を共有できる体制づくりや、各拠点で「電力使用量を前年同月比で1%以上削減する」と共通目標を立てて数字を意識した取り組みを行うなど、効果のある省エネ活動となるよう推進しています。
また、徹底した省エネルギー化の推進には従業員ひとりひとりの意識と行動が必要との想いから、社内ウェブサイトでも情報発信を行っています。サイト内に「電力ダッシュボード」を設置し、拠点ごとの直近の電力使用量の実績と前年同月比に加えて、I-PEXグループ全体の合計値を一目で確認することができます。
今後は、従業員の省エネルギー化への意識向上のため最もCO2を削減した拠点を表彰する社内向けの企画も検討しており、さらなる生産における省エネルギー化を推進していきます。