キャリアプラン(研修)
長期にわたるアメリカでの経験を経て
海外ビジネス観と柔軟な対応力を獲得
電子部品事業部 製品開発部
課長 入社26年目
長期にわたるアメリカでの経験を経て
海外ビジネス観と柔軟な対応力を獲得
1年目~3年目:コネクタの基礎的な知識など取得し、仕事の基盤を構築
入社してすぐ開発部 開発課に配属。コネクタの設計と開発がメインの業務でした。当時は部署が創設されて1~2年の段階だったため、社内に十分なノウハウがなく、他社製品の問題点を解決した製品や、顧客の意見を取り入れて発展させた製品などを開発していました。
私個人としては、先輩が設計したコネクタの評価や、先行している他社の良い製品を参照する日々を送っており、この時期にコネクタに関わる基礎技術を学びました。頭の中で断片的にあった知識が、こういう場面で役に立つという実体験を通じて学び納得できたことが自分の中では特に大きかったと思います。このとき得た知識や経験が、私の仕事の基礎になっていて、今も活きています。
3年目~7年目: 製品担当として、コネクタ設計を開始
2年目の途中あたりから既存製品の担当になり、報告を受けた問題点の改善や、工場側からの改善リクエストを設計に盛り込むなどの作業をしていました。2D CADで少しずつ製品の形状調整などの設計業務を開始したのがこの頃です。
当時はノートPCに使われるコネクタの開発案件が多かったため、部品に小ささが求められることがほとんどでした。しかし、お客様のご要望がそのまま実現できないことも多く、製造側の限界とお客様のご要望との間で、うまく落としどころを見つけ、製品形状に落とし込んでいくことがポイントでした。
7年目~10年目:リーダーとしてメンバーを統率しながら幅広い業務に対応
この時期になると、私が担当する製品や業務の幅が広くなり、誰かの指示ありきではなく、自分主導で仕事を進めていく機会が増加しました。また、チームに後輩が入ってきたことから、私がチームリーダーを任されるようになりました。
リーダーとして、チームメンバーへの業務の振り分けなどを含め、どうすればうまく仕事を回せるか悩むこともありました。考えた結果、自分本位に進めるのではなく、メンバーの様子に気を配り、他人の意見を聞きながら慎重に進めることを心がけました。
また、この頃に自分自身の仕事で、製品の立ち上げ時にトラブルが発生し、短期間に3度中国に出張することがありました。この経験から得た教訓は、お客様との話し合いにおいては、まずお客様のご意見を真摯に伺い、内容をきちんと把握してから受け答えすることです。
10年目~25年目:アメリカで、お客様との取引を技術面でサポート
それまでI-PEXのアメリカの拠点は代理店でしたが、直統括の支店を立ち上げる話があり、そのタイミングで私はアメリカに赴任しました。私は英語が話せなかったため、赴任の半年前から英会話レッスンを受講し、英語や現地の文化を勉強しました。
当時、アメリカではPCメーカーなどと取引があり、そうしたお客様の技術サポートを私が務めました。技術的な観点でお客様のニーズをくみ取り、コネクタの要求仕様をまとめて、日本に伝えます。作製した図面を基にお客様とやり取りし、日本の設計チームへフィードバックするという対応を行っていました。
アメリカで大事なことは、全製品の深く広い知識が必要なこと。そして、さまざまな人種と文化があり、一人ひとりに合わせた対応が必要であることを学びました。とにかく、がむしゃらに対応した結果、外国でもやっていける対応力が身に付いたと思います。
25年目~26年目:技術開発の責任者として、5G向けコネクタ開発に携わる
2019年1月に技術開発課の課長に昇進。2019年9月に帰国し、現在に至ります。日本に戻ってからは、5Gなどの高周波・高速伝送に対応するコネクタを開発する部門で、課長としての責を負っています。
注目を集める技術に関する製品を、I-PEXの看板を掲げて開発していますので、不具合のリスクを抑えた設計をはじめ、完璧な製品として成立させることが重要です。また、耐ノイズ性があるフルシールドのコネクタにおける先駆者としてのポジションを、今後も守り続けていきたいと思います。
一方で、最・尖端を目指すなら、より尖った製品を作る努力を続けないといけません。多少の冒険をしても、一歩を踏み出すことが必要なときもあることを、チーム内に伝えていきたいです。
キャリアの中で得られたスキル
リーダーシップ
責任感やリーダーシップなどは、リーダーとしての業務を通じて身に付けていきました。そして、課長に任命されたことで、部下を取りまとめて指導するスキルを、さらに高めていきたいと考えています。そして部下たちに、局面を客観的に見られるようになることや、周囲の人を巻き込むこと、真摯に他人の意見を聞くことなどの大切さを伝えていきたいです。
語学力
もともと語学が堪能というわけではなかったので、アメリカ赴任当初は非常に苦労しました。あまり話せないにもかかわらず、突然の依頼でお客様へプレゼンテーションするというケースもありましたが、それがよいきっかけとなり、経験を重ね、お客様と直接やりとりできるようになりました。
問題解決能力
アメリカでの仕事は、すべての製品についての深く広い知識に加えて、さまざまな人種と文化が混在する中で、それぞれの人に合わせた柔軟な対応が必要でした。私は試行錯誤しつつ経験を重ねることで、そうした状況への対応力を身に付けることができました。15年という長い期間、アメリカ支店に在籍させてもらえたのは、この対応力が認められたからだと思っています。
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部署名、年数表記はインタビュー当時のものです。