職種ダイジェスト

ミクロン単位の細部にまでこだわりつつ
お客様のご要望を叶えるため試行錯誤する

金型設計ってどんな仕事?
設備事業部 金型部
金型設計

ミクロン単位の細部にまでこだわりつつ
お客様のご要望を叶えるため試行錯誤する

金型設計の仕事内容:
知見やノウハウを踏まえて、最適な樹脂部品を成形する金型を設計

私の部門では、お客様が作製した製品図を元に、半導体のICチップを絶縁・保護するための、樹脂部品を形成する金型を設計しています。具体的には、流動解析や過去の知見などをもとにして、製品外観や内部構造物などの変更の必要性、金型構造やレイアウトをお客様と協議しつつ、最終的な金型仕様を決定します。さらに詳細の検討事項をきめ細かく詰めて金型図面に起こし、製造部門へ引き渡します。
私個人としては、既製品の微調整のほかに、今までに製造経験のない製品のための金型設計を担当することが多く絶えず挑戦が伴う仕事の連続です。お客様から「こういう部品を作れますか?」というご相談をいただくと、まっさらなゼロの状態から設計を開始します。
このように、お客様が求める新たな形状・公差・品質・コスト・納期などの要求を満たすための新発想を加えた金型をデザインすることが私たちのミッションです。そのためには、ミクロン単位の細部までこだわりつつ、設計にお客様のご要望を組み入れる挑戦を繰り返します。ご要望は難易度の高いものが多いですが、そのぶん狙い通りの製品が完成したときの満足感、達成感は計り知れません。

金型設計のやりがい・面白さ:
幅広い知識が必要な業務ですが、実現できたときの達成感は大きい

金型設計は、材料力学や構造力学の知識だけでは足りません。特に半導体封止は樹脂の流れを見極めることが重要で、エアを溜めないようにするなど内容物への影響を考慮する必要があります。この作業をうまく進めるには、化学や流体力学の知識が欠かせません。また、お客様に製品形状などのアドバイスなども行うため、電気的な知識も関わってきます。さらに、自分の関係する工程のみならず前後工程についての配慮も必要で、総合的な知識とその応用が必要です。
私はこうした知識を学び吸収する姿勢を何時も大事にすることを仕事に携わる上でのモットーにしています。知れば知るほど奥が深く、金型設計の面白さを感じることができるからです。経験や自己学習を重ねた結果、お客様との会話や設計中にそれらの知識や経験を活かせたときは自分自身の成長を実感しますし、それがやりがいにもつながっています。
以前のことですが、製作実績のある金型を再受注した際に、一部のパーツを付け替え可能な交換式にして欲しいというご要望がありました。この案件では元のレイアウトを守りつつ、新機能を実現する構造は複雑を極め試行錯誤の連続となり大変な作業となりましたが、知識を駆使して当初に狙った通りの製品を仕上げられたときには、この上ない大きな喜びを感じました。

金型設計で苦労した経験:
成形品と金型の隙間からの樹脂漏れを、周囲のフォローで無事に修正

私が最初に担当した製品の話ですが、ある個所で成型品と金型との隙間を見落としてしまい、そこから樹脂が漏れるという問題が生じました。半導体封止樹脂は50~100μm程度の隙間でも樹脂が漏れてしまい、樹脂が金型の隙間に流出して固化する「バリ」や、所定の成型圧が立たない不具合が発生します。特に成型品と金型の隙間は、それぞれの熱膨張やパーツ公差などを考慮して設定しなければならなかったのですが、そのあたりの配慮が不足していました。
当時は経験が浅かったため、この問題の対策を講じるための引き出しが自分自身としては少なく、かなり焦りました。しかし、上司や先輩、製造部門のみなさんから、どのような構造や加工にすれば樹脂漏れが止められるのか多くのアドバイスをいただき、修正改造を施すことで無事にこの問題を解決できました。
I-PEXは1人が1つの金型を担当するスタンスではありますが、困ったときには必ず周囲の方々からのフォローがあります。自然にみんなが集まって、どうすればいいのかと議論が起こる雰囲気があり、今も助けられることがあります。

将来の理想像:
柔軟な発想で新しい金型を作れる設計者になるため、日々努力を続ける

半導体素子を絶縁・保護する封止の技術は日々進化していて、お客様からは常に新しい成型手法への要求があります。特にICチップは大きな変革を遂げていて、こうした技術の流れに対応するためには既存の金型構造に留まらない柔軟な発想が必要になるはずです。私は、この潮流に対応した、新しい金型構造を作り出せる設計者でありたいと考えています。
金型設計の世界にいますと、新しいアイデアに対して否定的になる部分もありますが、業務とは異なるさまざまなジャンルの知識を求め、失敗を恐れず積極的に金型設計へ取り入れていけるよう、日々努力していたいと考えています。頭では難しそうだとわかっていても、まずは「ノー」と言わずにチャレンジする。このI-PEXには、声を上げれば挑戦させてくれる文化がありますので、こうした積極的な姿勢をずっと持ち続けていきたいです。

  • 部署名、年数表記はインタビュー当時のものです。

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