可変型蓄電池

可変型蓄電池

必要な時に必要なだけ電力を、

容量が変えられる蓄電池

ハイブリッドインバータを搭載した可変型蓄電池は、商用電源と再生可能エネルギーを自動で制御することで、平常時は省エネルギー化へ貢献するだけでなく、災害時も非常用電源として電力供給を支えます。

電源容量はモジュールを変更することで2.1kWhから12.6kWhまで増減できるため、施設の規模や使用する用途に応じて柔軟にご使用いただけます。オフィスや公共施設、医療機関、福祉施設など、さまざまな場所での停電対策に役立ちます。
 

可変型蓄電池の特長

安心・安全な蓄電池制御システムを搭載

蓄電池制御システム(イメージ) 蓄電池制御システム(イメージ)

I-PEXの蓄電池システム「RENERATH」シリーズは、リユースバッテリーに対し、過充電・過放電・過温度を適切に制御する機能と、バッテリー内部の短絡(ショート)を防ぐ保護機能を備えています。

さらに、経年劣化によってバッテリー容量が低下した場合は、バッテリーの交換・回収を行うことで、車載用リチウムイオンバッテリーの資源循環に貢献します。

長期にわたって充電容量を維持する、電気自動車のリユースバッテリーを活用

電気自動車のリチウムイオンバッテリーをリユースした、高品質なバッテリーモジュール※を使用しています。

高い安全性や信頼性が求められる車載用バッテリーを活用することで、長期にわたって充電容量を維持することができます。

リユースした車載用リチウムイオンバッテリー(イメージ) リユースした車載用リチウムイオンバッテリー(イメージ)
リユースバッテリーの充電容量(SOH)の推移(推定値)のグラフ。ほぼ毎日満充電(SOC)の80%まで充電し、30%まで使用した場合、7年後も約55%の充電容量を保つ。
  • ※1
    SOH(State of Health):当初の満充電容量を100%とし、劣化時の満充電容量の割合を表す。
  • ※2
    SOC(State Of Charge):満充電状態を100%、完全放電状態を0%として、バッテリーの充電率を表す。

ハイブリッドインバータ標準搭載で自動制御

日中は太陽光発電を利用し、蓄電池から電力不足文を供給、UPSを搭載するため瞬電対策に利用可能

標準で搭載するハイブリッドインバータによって、商用電源や太陽光発電、蓄電池を1台で統合制御することができます。

平常時は日中は太陽光発電を活用しつつ、不足する電力は夜間に蓄電した蓄電池や商用電源から供給することで、省エネルギーや電力料金の削減に貢献。さらに災害等による停電が発生した際は瞬時にオフグリッド運転へと切り替わって給電を継続することで、安心・安全を提供します。
 

  • AC電源では満充電の約70%まで充電し、残りの約30%は太陽光発電で充電を行います。AC電源による充電量の上限は設定が可能です。

利用環境に応じて最適制御する3つの運転モードを搭載

使用環境や目的に応じて選べる3つの運転モードを搭載。再生可能エネルギーの最大活用から非常時のバックアップまで、多様なシーンで最適な電力運用を可能にします。

省エネ優先モード

再生可能エネルギーを最大限活用した運転モードです。

太陽光発電で得た電力を最優先として利用し、余剰分は蓄電池に自動で充電。 発電していない時間帯は蓄電池や商用電力へとスムーズに切替え、日常的な電力使用の省エネ化を支援します。
 

  • PV(太陽光)の電力を最大限活用
  • 余剰電力は自動で蓄電
  • 発電不足時は蓄電池・商用電源へ切り替え
インバーター内蔵により、太陽光発電を優先で活用し、発電していない時間帯は蓄電池や商用電力にスムーズに切り替え 省エネ優先モードのイメージ

蓄電池優先モード

蓄電池からの給電を優先した運転モードです。

蓄電池の電力を最優先として使用し、電力消費を抑制。 残容量が低下した際には自動的に商用電源から充電を行います。停電時は蓄電池単独での運転にシームレスに移行できます。

  • 蓄電池の電力を優先的に使用
  • 蓄電容量が減ると、商用電源から自動で充電
  • 停電時も蓄電池のみで安定稼働
蓄電池の電力を最優先で活用し、容量が減ると自動で低下すると太陽光発電や商用電力を活用 蓄電池優先モードのイメージ

BCP対策優先モード

電力供給の安定稼働と確実な電力バックアップを両立した運転モードです。

平常時は商用電源を利用しながら、万が一の停電時にはUPS機能により瞬時に蓄電池へ切り替え。重要設備の停止を防ぎ、事業継続性を高めます。

  • 停電時は瞬時に蓄電池へ切り替え(UPS対応)
  • 重要機器を確実にバックアップ
  • 事業継続(BCP)対策を強力にサポート
電力供給の安定稼働を優先し、平常時は商用電力を活用、停電時には蓄電池に切り替え BCP対策優先モードのイメージ

10年間で約50トンのCO₂を削減

10年間で内燃自動車約25台分の年間CO2排出量を削減

電力運用の最適化によるコスト削減だけでなく、導入するだけで脱炭素化に貢献することができます。

Scope 2(電力由来の排出)※1とScope 3(製品・資源起因)※2の削減効果の合計として、10年間で約50トンのCO₂排出を削減できます。これは内燃機関車約25台分の年間排出量に相当します。

  • ※1
    電力排出係数(国内平均):0.423 kg-CO₂/kWh、削減される購入電力量:約27kWh/日 ×300日=8,100kWh/年、年間のCO₂削減量(Scope 2):8,100kWh×0.423 kg-CO₂/kWh=約3,426kg(約3.4トン)
  • ※2
    削減係数(リパーパス蓄電池):100 kg-CO₂/kWh、採用容量:12.6kWh、年間削減量(Scope 3):12.6kWh×100kg=1,260kg(約1.26トン)

容量を変えられる構成

可変型蓄電池は、定格容量2.1kWhから12.6kWhまで、タイプによって柔軟に対応可能

最大12.6kWhまで容量を調整することができます。施設の規模や電力需要の変化に応じて拡張できるため、導入後の更新や移設にもスムーズに対応します。
 

オフグリッドや停電時でも、独立して稼働可能

可変型蓄電池は、オフグリッドや停電時でも、独立して稼働可能

送電網につながっていないオフグリッドの状況や、送電が途絶えた停電時でも独立して稼働することができます。
 

パススルー接続が可能

可変型蓄電池は、パススルー接続によって蓄電率常時100%が可能

商用電源から充電すると同時に、接続先の機器への給電もできるため、常に蓄電率を100%で維持することが可能です。そのため、停電時に100%充電済みの状態から使用できます。

I-PEXがすべての監視・保守・運用を担当(オプション)

可変型蓄電池は、オプションとしてI-PEXがすべての監視・保守・運用を担当可能

可変型蓄電池の充電状況や電力使用量、I-PEXが遠隔で常時監視し、可変型蓄電池の保守・運用を行います。蓄電池の劣化や故障の際もI-PEXが対応し、常に可変型蓄電池が使用できる状態を維持します。

可変型蓄電池のユースケース

災害時の非常用電源として

避難所の体育館

停電時でもすぐに稼働できる独立型電源として、停電した避難所において、被災者の所有するスマートフォンやヒーター、照明設備への継続的な給電を行うことが可能です。またソーラーパネルと組み合わせることで、災害時でも持続的な電力供給を実現します。

災害時の非常用電源として避難所設備や電気製品に使用可能

工事現場や仮設事務所などでの利用に

電源インフラが未整備の工事現場や仮設事務所などでも、事務所の照明やパソコン、空調機器などを安定して稼働させます。必要に応じたバッテリー容量の拡張が可能です。

工事現場や仮設事務所などの電気機器に使用可能
工事現場の仮説事務所

オフィスや施設などでの省エネルギー化に向けた電力制御の最適化や、BCP対策として

オフィス

標準で搭載するハイブリッドインバーターにより、​日中は太陽光発電による電力を蓄え、電気料金単価が高い時間帯に不足する電力を自動で給電することで、電力料金の削減を実現します。

日中は太陽光発電を利用し、蓄電池から電力不足文を供給、UPSを搭載するため瞬電対策に利用可能

省エネ優先モードによる電力最適運用とコスト削減効果

太陽光発電と蓄電池を組み合わせた「省エネ優先モード」により、昼間の高単価電力の購入を抑え、夜間の低単価電力を賢く活用。施設全体の電気料金を大幅に削減します。

昼間(電気料金が高い時間帯)は、太陽光発電の余剰分を蓄電池に充電し、必要な電力量を蓄電池から優先的に供給。夜間(低単価時間帯)は、蓄電池を賢く充電し、翌日のピーク時間帯に備えます。
 

8~13時に太陽光発電の余剰分を蓄電、13~16時に満充電状態、16~20時に太陽光発電の不足分を蓄電池が放電、夜間はBCP用途として3kWhを確保 省エネ優先モードによる電力最適運用のイメージ
  • ※1
    想定施設:市庁舎・避難所(契約:東京電力「夜得8」)
  • ※2
    蓄電池容量:12.6kWh(実効容量10kWh/1日1サイクル)
  • ※3
    太陽光発電:10kW(平均発電量30kWh/日)
  • ※4
    電力単価:夜間(23:00〜7:00):35.13円/kWh、昼間(7:00〜23:00):46.09円/kWh
  • ※5
    施設需要負荷:約2kWh/h(1日44kWh消費)

仕様

製品仕様

製品名 可変型蓄電池
(L4 2.1kWhタイプ)
可変型蓄電池
(L4 4.2kWhタイプ)
可変型蓄電池
(L8 4.2kWhタイプ)
可変型蓄電池
(L8 8.4kWhタイプ)
可変型蓄電池
(L8 12.6kWhタイプ)
定格容量 2.1 kWh 4.2 kWh 4.2 kWh 8.4 kWh 12.6 kWh
サイズ(W×D×H) 600×450×600 mm 600×450×774 mm 720×545×650 mm 720×545×880 mm 720×545×1,110 mm
重量 100 kg 140 kg 150 kg 230 kg 310 kg
バッテリー リチウムイオン電池 リチウムイオン電池 リチウムイオン電池 リチウムイオン電池 リチウムイオン電池
電圧系統 48 V 48 V 48 V 48 V 48 V
入力 商用電源 AC100 V / 太陽光発電※1 商用電源 AC100 V / 太陽光発電※1 商用電源 AC100 V / 太陽光発電※1 商用電源 AC100 V / 太陽光発電※1 商用電源 AC100 V / 太陽光発電※1
出力 AC100 V※2 AC100 V※2 AC100 V・AC200 V※2 AC100 V・AC200 V※2 AC100 V・AC200 V※2
最大合計出力 5,000 W 5,000 W 5,500 W×2口 5,500 W×2口 5,500 W×2口
充電時間 完全放電させた状態から約6~9時間以内 完全放電させた状態から約6~9時間以内 完全放電させた状態から約6~9時間以内 完全放電させた状態から約6~9時間以内 完全放電させた状態から約6~9時間以内
動作環境 -10℃~50℃ -10℃~50℃ -10℃~50℃ -10℃~50℃ -10℃~50℃
保管環境 -20℃~55℃ -20℃~55℃ -20℃~55℃ -20℃~55℃ -20℃~55℃
  • ※1
    仕様については別途ご相談
  • ※2
    端子台接続での出力(ただし、別途オプションでコンセント出力も可)

注意事項

  • 本製品は日本国内専用です。国外での使用はサポート対象外となりますので、必ず国内でご使用ください。
  • 接続機器の動作に影響がないか、事前に十分な動作確認を行ってください。動作不良が発生した場合の責任は負いかねます。
  • 生命維持に関わる医療機器を接続する場合は、必ず医療用UPSを介して安全に接続してください。直接接続は非常に危険です。
  • 規定容量を超える負荷での使用は避け、必ず容量範囲内での使用を心がけてください。容量超過は機器の故障や事故の原因になります。
  • 本製品や接続機器が故障した場合、またはその結果として発生する損害については、当社は責任を負いません。ご自身で十分な注意を払ってご使用ください。
  • 冷蔵庫、エアコン、業務用複合機などの大電流が必要な機器は、製品の型式や規定容量により使用できない場合があります。使用前に必ず確認してください。
  • 製品の仕様は予告なく変更される場合があります。最新の仕様については、I-PEX公式ウェブサイトでご確認ください。

ギャラリー

可変型蓄電池​ L4 4.2 kWhタイプ 可変型蓄電池​ L4 4.2 kWhタイプ
可変型蓄電池​ L4 2.1 kWhタイプ 可変型蓄電池​ L4 2.1 kWhタイプ
可変型蓄電池​ L8 12.6 kWhタイプ 可変型蓄電池​ L8 12.6 kWhタイプ

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